探偵が行う身元調査

一言で身元調査と言っても「知り得たい情報の範囲」で探偵が調査に費やす時間は異なる。多くの場合、「調査対象である人物」の正確な氏名・年齢・性別・職業・居住先・勤務先などが知り得たい「単純でポピュラーな身元情報」であろう。

しかし、現代は個人情報の扱いが厳格であり「簡単に情報入手」とはいかない現状にある。御依頼者が抱える問題を解消する手段に「必要な情報入手」が極めて困難な時代なのである。悪が世にはびこりやすいとまで言わないまでも「正当な権利の主張」も困難と言えるのである。

このような状況は「法規制」が招いた結果と言える。

皆さんご存知の「個人情報保護法・探偵業の適正化」に関する法律などが代表的といえるだろう。昭和から平成にかけてはそれ程「規制」が厳しくなかったが、同法律が制定されてからというもの「世間の認識」が大きく変化したのである。

簡単な「婚約者に関する人柄」の調査であっても「他人のプライバシーに関わる個人情報であるから答えられない」が多くの方の認識と言える。

御依頼者にとっては一生に関わる調査であるにも関わらず「社会の認識」から情報を取得が困難といえるのである。どう見ても「認識がズレている」としか思えないのは著者だけだろうか?

現実問題として法的処置が必要な「トラブルを抱えた人物」が「トラブルの相手を特定出来ない世の中」は誰がどう見てもおかしな状況であろう。このような状況が誰にでも降りかかるのである。個人情報が厳格に扱われる事には何の異論もない。しかし、世間の認識違いがただされなければ「弱者は救済されない」不道理がまかり通る世の中になってしまうのである。

当然ながら調査を行う興信所や探偵にも「現代にあった調査手法の確立」が要求されるだろう。多くの調査人達は試行錯誤し「依頼人に有意義な情報」提供をと考え「情報取得のために自らを向上させる」ことが常に要求されるのである。

立ち止まって「否定しても世間が変わる」ことは望めない。

興信所や探偵が進化し時代にあった存在感のある業務を行わなければ淘汰される厳しい状況なのである。どの分野や業種でも同じような現状を抱えている現代社会は「意味のない存在」を許さない「スピードに追われ変化に対応出来ないもの」に極めて薄情であると思う。古き良きを掲げているだけでは「時代に取り残され」てしまい「世間の常識や変化」に対応できずに孤立し「誰からも見向きされない」状況がまっているだけなのである。

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